6月13日(火)曇り時々雨
出発してすぐににわか雨にあったりしながら、北へ進み、盛岡市を過ぎる。
このあたりはもう北上川からも離れ、これまで専門に泊まっていた川原も海岸もない山の中なのでキャンプ地を探すのがちょっと大変。のちに閉店後の「道の駅」の軒先でテントを張ってよく泊まるという旅人と会って、なるほどと思ったのだが、そのころはそんなことは考えもしなかった。
岩手町の道の駅の近くに彫刻公園という彫刻の立ち並んだ公園があったので、そのすみっこにテントを張った。
(89.71km/5h13m・計996.2km)
6月12日(月)曇り時々雨
出発してすぐに岩手県に入る。岩手に入った時点で追いつかれていた梅雨前線を抜き返したことになる。東北北部はまだ梅雨入りしていないのだ。
上り下りは多少あるが、順風で気持ちよく進む。
昼ごろには北上市に着く。ここから花巻までは自転車専用道が付いているのだが、川原に公園があって泊まるにはよさそうだったので今日はここまでにする。
自転車を洗車、整備などして、もう全く使っていなさそうなゲートボール場にテントを張った。
(88.72km/5h26m・計906.4km)
6月11日(日)曇り
石巻市へ。ここは石ノ森章太郎の生地らしく、彼のミュージアムがあり、009や仮面ライダーなどのキャラクターの像がたくさんあった。「バー009」というのがあり009に「おーおく」とルビがふってあった。
海から離れ、北上川を上る。この先の三陸海岸はリアス式海岸で道の上り下りがとても激しいと聞いていたので内陸を迂回することにしたのだ。うまい具合に内陸の北上川に沿って平地が続いている。
しかし、北上川はいくらさかのぼっても今までキャンプしてきた川のようにいい川原がなかった。全く川原がないか、広い川原があっても田んぼや畑になっているところが多かった。
夕方が近づいてきたころ、川原の背の高い草っ原の中に刈ったばかりの部分をなんとかみつけて入り込んでテントを張った。当然、トイレも水道もなかった。
持ってきていた米がなくなりかけていた。スーパーなどでは一番少ないパッケージは2キロで、自転車の旅人にとって2キロは重すぎるのでどうしようかとずっと悩んでいた。100円ショップで小さいパッケージを売っているというのを聞いていたのでみつけたら寄っていたのだが、どこも売っていなかった。
途中の田舎のなんでも売ってる個人商店でわけを話して米の量り売りをしていないか訊いたら、してはいないのだけどいいですよと、自分のうちで使っている米から量り売りしてくれた。500グラムだけ計って売ってもらった。
(72.71km/4h32m・計817.7km)
6月10日(土)薄曇り
未明に雨は止み、出発。
走っている途中で自転車のスピードメーターがまた動かなくなっていることに気が付いた。ちょうど仙台市を通るので新しいメーターを買おうと思ったのだが、うまく大きな自転車屋に行き当たらず(詳しい地図は重くなるので持っていない)、どんどん進んでいるうちにいつの間にか、またメーターが動き出していた。雨に濡れたのが動かなくなった原因のようだ。センサーが雨に濡れて動かなくなり、乾くとまた復活するらしい。30キロぐらいはカウントしていなかったようだ。
松島へ。さすがになかなかいい景色だ。
さらに進み、東松島のカンポの宿で温泉に入り、野蒜海岸でテントを張った。
(27.3km/?h?m・計745.0km 動かなくなっていた分ははいっていない)
6月9日(金)雨
予報通り、夜中から雨が降りだした。トイレと水道のあるところにテントを張っていてよかった。でも近くに店は全くなさそうなので、手持ちの食料でテントの中でじっとしているしかない。
本を読んだり、食事を作ったり、ラジオを聴いたりして過ごす。
この雨と同時に宮城県を含めた東北南部が梅雨入りした。あー、ついに追いつかれてしまった。梅雨に取り込まれてしまうと先に進めなくなってしまうのでなんとかしなければ。
降り出して半日でテントの四隅の縫製部分からじわじわと雨水が染み込んできた。量はたいしたことないのでとりあえず問題はない。
(0.0km/0h0m・計717.7km)
6月8日(木)曇り
順風に乗って進み、宮城県に入る。
阿武隈川の土手にトイレと水道があり、土手の外側にテントを張る。
この日、自転車のスピードメーターが一時動いていなかった。数キロ分カウントしていなかった。どこかが故障してしまったようだ。どうしよう。少し落ち込む。
天気予報は明日一日中雨だといっている。
(87.97km/5h12m・計717.7km)
6月7日(水)雨のち曇り
未明から雨が降りだした。夜が明けてからさらに雨は強くなり、雷も鳴りだした。ラジオを聴くと大雨洪水警報が出たとのこと。昼過ぎまで降り続くという。ここに連泊だろうか。
福島にきてから天気予報が分かりにくくなった。南部や北部というのではなく、「中通り」「浜通り」「会津」という地方区分で予報を出すので、そんな秘密の暗号で天気予報をいわれてもそれがどの辺のことなのか分からないのだ。
そろそろ梅雨が近づいてきているようだ。急がなくては。タイトルに「晴走雨読」と付けたように、雨の日は走らないことにしている。レインコートは持ってきているが、自転車には泥よけも付いていない。
幸い10時過ぎに雨が止んだので出発。双葉町まできたところで「海浜公園」の行き先指示看板があり国道をはずれて行ってみる。しょぼいキャンプ場があった。受付は開いておらず、水道はあるが、トイレもシャッターが閉まっていたので、勝手にテントを張った。
(66.91km/4h25m・計629.2km)
6月6日(火)晴れ
キャンプを張ったみさき公園はとてもいいところで、静かで風も吹かず、その夜は寒くもなかった。小鳥とウシガエルの鳴き声だけが聞こえていた。
出発して一週間以上たち、全く鍛えていなかった体に疲れもたまってきていたので、ここに連泊して休むことにする。
自転車を洗車、整備し、洗濯をした。天気もよくのんびりしていたら、公園の管理人が巡回してきて、「ここはキャンプは禁止だよ」と言い渡されてしまった。
しようがない。洗濯物が乾いた時点で撤収して、移動する。近くの厚生年金施設で温泉に入り、数キロ移動して、別の広場にテントを張った。
(6.86km/0h37m・計562.3km)
6月5日(月)曇りのち晴れ
最初のうち、上り下りが多く、トラックも多くてうんざり。
福島県に入る。国道をはずれ海沿いの道を行くが、この日もなかなかいいキャンプ地が見つからずちょっとあせっていたが、いわき市でみさき公園という広くていいところにあたった。問題は整備されすぎていてキャンプしても大丈夫だろうか思わせることだった。
広い公園をうろうろしていたら炊事場と野外炉がたくさんある区画があった。ここがキャンプのための場所でなくてなんなのだろう。キャンプ禁止などという立て札もないのでテントを張った。
(70.93km/5h21m・計553.0km)
6月4日(日)晴れ
テント生活は意外と快適でよく眠れるのだが、このところ朝方が寒くて足が冷えて目が覚めることがあった。荷物を減らすために長いズボンを持ってきておらず、短パンで寝ていたのだ。さすがに短パンではきついと思いはじめていた。
利根川をさかのぼり、北浦へ出る。このへんには釣り竿を一人で5本も10本もたらしている釣り人がたくさんいた。竿にマイコン内蔵のあたり感知器までつけている。こいつらはなにもんだ。漁師には見えないのだが、一般の釣り人がなぜ何本も竿をたらすのか。売りさばいているのだろうか。そんなに生活が苦しいのか。
再び太平洋に出て北上する。南風の順風が吹いていて気持ちよく走れる。
大洗、ひたちなかと進むが、いいキャンプ場所が見つからず、先へ先へと進まざるを得ない。途中でユニクロが見つかり寒さ対策にジャージの下を買う。自転車で北海道を旅したことがあるという大学生に声をかけられ激励を受ける。
夕方近くになって、東海村の原発を過ぎ、久慈川でやっといい河原をみつけテントを張る。水道はないが、もう学習したので途中で水筒に水を1リットル汲んでおいた。JRの鉄橋がちょっとうるさいがまあいいだろう。
この日は順風だったのと、いいキャンプ地が見つからずだらだら走っていたので一日の走行距離が初めて100キロを超えた。
(109.44km/6h50m・計481.7km)
6月3日(土)曇りのち晴れ
起きたら霧雨が降っていてぎょっとしたが、すぐに止んできたので出発。
九十九里浜を出て犬吠埼へ。九十九里浜はずっと真っ平らだったが、岬に近づくと山になっていて上り下りが多くなる。
銚子で銭湯に入り、利根川にかかるせまくて長くて歩道のない人殺し橋、銚子大橋を渡り、茨城県へ。
利根川を少しさかのぼるといい感じの川沿いの広場があったので、トイレも水道もなかったが、そこにテントを張った。
(58.19km/4h12m・計372.3km)