前略、
このカメラを買うのは二度目。
1990年に最初の海外旅行に出た時に、最初の滞在地の香港(のうさんくさいカメラ屋)で購入(YASHIKAブランドだった)して、その後の7ヵ月半の旅の間、撮りまくった。
オートフォーカスのコンパクトカメラだが、一眼レフ方式なのでファインダーで見たままが撮れる。縦型でフィルムも縦送り、ハーフフレイムなので36枚撮りのフィルムで72枚以上撮れる。当時、海外ではこのサイズでこの形のカメラは珍しがられた。
そして、1992年、二度目の長期旅行に出発し、最初の滞在国アメリカで盗難に遭い、どこかへ消えてしまった(そのばかみたいな顛末はこちらで)。
その後はペンタックスの普通のコンパクトカメラを買って、こいつは盗まれることもなく数十ヵ国で働いてくれて、今も使っている。
それでもこのユニークなカメラは常に気になっていて、ヤフー・オークションをのぞいては、やや高すぎる落札価格に手が出ないでいた。
そんなとき、新宿で行われたフリー・マーケットでワゴンにぽつんと置かれたこのカメラを発見した。電池切れのために動作確認ができないが、ソフトケース付きで状態はきれいだった。店主にちゃんと動くかどうか訊いてみると、すぐに「もちろん」という答えが返ってきたが、店主はプロの中古品売買業者のようで、このカメラの持ち主ではなく、電池の切れたこのカメラが動いているのを見たことがないのは明白だった。
3500円だという。こういう場合は安いことが逆に不安材料になる。2500円まで値切って買った。
帰りに電池を買う。1000円ちょっとした…。
家に帰って動作を確かめてみると、レンズにくもりもなく、一応動いたが、最初はボタンの接触が悪くて、押してもシャッターがおりなかったりしたので、やっぱり不良品をつかまされたのかとあせったが、その後数日、何度もシャッターを切っていると、なぜかちゃんと動作するようになった。
外観にはほとんど傷らしい傷もなく、もう何年も使われていなかったのかもしれず、ずっと吹きさらしのワゴンなどに置かれていて、ちゃんと動くようになるまでには慣らし運転が必要だったのかもしれない。
まだフィルムを入れて撮影をしていないのだが、これはお買い得だったかな。
草々