[晴走雨読]日本半周 Day 018 青森(八戸)

6月15日(木)曇り/濃霧
 馬淵川の川原の野球グラウンドのレフトの外野の芝生の上に(「の」の連続)テントを張り、ぐっすりと休んでいると、テントのフライシートをタンタンとたたかれ、なにやら外から声をかけられて目覚めた。
 時計を見ると朝の5時前である。
 なんだよ、こんな朝早くから。どうせ早起きのじいさんかなんかが散歩の途中でキャンプなんかするなとかおせっかいやきに来たんだなと思い、相手にせずにそのまま寝ていた。
 しかし、なんだか外に人の気配があり、それも何人かいるようで全く立ち去る気配もない。おまけに一定間隔で、パン、パンという小さな聞き覚えのある音が響いていた。車のエンジン音も断続的にする。
 これは何かおかしいと思って、外を見てみると…。
 平日の朝の5時、濃霧の中にいい年をした野球のユニフォーム姿の大人たちがグラウンドに散らばって、キャッチボールをしていた。さらにつぎつぎと車で集まってきていた。
 会社に出社する前に草野球をするため、川原の野球場に集まってきていたのだ。
 不幸中の幸いというのも大げさだが、テントはレフトのライン際の深いところに張っていたので、彼らはテントにかまわず試合を始めようとしていた。まあ、こちらもかまわなくてもいいのだが、万が一、テントに当たって壊れでもしたら困るのでしぶしぶ撤収を開始して、いつもより早めに出発した。(つづく)