[ミャンマー]ペガサス・エアラインズの謎

前略、

ミャンマー旅行を計画していたときは日本から直接行きたいと思っていた(といっても直行便はないので乗り換えになる)。しかしチケットの手配を始めてみたら安い便はずっと満席、高い便は高すぎるということで、とりあえずバンコクに飛んでからミャンマー行きのチケットは手配することにした。
バンコクからヤンゴンに飛んでいる航空会社はタイ国際航空ミャンマー国際航空ビーマン・バングラデシュ航空ロイヤル・ブータン航空などがある。この中から今回は毎日飛んでいて比較的安いミャンマーエアーを選んだ。

ミャンマーエアーとタイエアーはバンコク、ヤンゴン間を毎日運行しているのだが、これは共同運行というやつで、それぞれ別の便名は付いているが一機の飛行機が飛ぶだけである。当然出発時間も到着時間も同じなのだが、空港の表示でこれをみて「同じ時間に同じ目的地行きの飛行機が2機飛んだら危ないよね」と真顔でいっていた人がいたが、もちろんそんなことはない。
タイエアーのチケットを買っても、ミャンマーエアーのチケットを買っても同じ飛行機に乗せられて飛ぶ。ここで浮かぶ疑問はチケットの値段は違うんじゃないのということだ。
当然のことながらやはり料金はタイエアーの方が高い。ではなにが違うのだろう。聞いたところによるとタイエアーを使うと帰りの便のリコンファームはしなくていいらしい。オーバーブッキングになったときも優先度は高いだろう。あと墜落したときは多分補償金も高いに違いない。もう一点は乗ってみて何となく分かった。
バンコク、ヤンゴン間はほんの1時間ちょっとなのだが、軽い機内食(サンドウィッチなど)が出る。そしてこのときだけ機内の真ん中にあるカーテンが閉まったのだ。どうやらそのカーテンの前のお客はタイエアーのお客で後ろの我々とは違うものを食べているようだ。
とはいっても1時間ちょっとのフライトなので、機内食を配られたら、さっさと食べて回収してもらわないとヤンゴンに着いてしまうほどなのでたいした違いはないと思うのだが。

共同運行に関していうと飛行機がどちらの会社のものなのかという違いもある。タイエアーとミャンマーエアーならやはりタイエアーの飛行機に乗りたいものだが、ぼくが乗った機体はこのどちらでもなかった。
バンコクから乗り込んだ飛行機にはしっかりと「PEGASUS」という文字があった。
ペガサス・エアラインズ? そんな航空会社は今まで聞いたことがなかった。

これはミャンマー国内を走っているほとんどの車と同じで、よその航空会社が使っていた中古飛行機をミャンマーエアーが買い取ったということのようだ。それを機体のペイントも塗り直さずそのまま使っていたのだ(あのペイントにはかなりの料金がかかると聞いたことがある)。機体のペイントどころか機内の救命胴衣の説明書までペガサスのままだった(この機内では救命胴衣の付け方を今どき珍しくビデオではなく実演で見せてくれた)。

そしてヤンゴンに着くまでの1時間ほど、ぼくはペガサスエアラインズのなぞを解こうと頭を働かせていた。機内の表示ももとのままで出入り口には英語で「EXIT」とかいてある他にどこかの国の文字がかいてある。ラテン文字なのだが、ぼくの知っているヨーロッパの言葉ではない。
「CIKIS」とありそのCとSの下にひげ(セディーユ)がついているのだ。フランス語ではSにはセディーユは付かない。そのほか点の付いた「i」と付いていない「i」があることなどから、これはトルコ語ではないかとぼくは推理した。
帰国してからインターネットで調べてみた。
PEGASUS AIRLINES
ビンゴ! 当たりであった。

草々