アパートの一階の軒下につばめの巣が2つ3つあった。
今年のシーズン前、業者が来て全部掃除してなくなってしまったのだが、今年来たカップルが新たに巣を作った。ここのところ、ずっと一羽が巣にいるので卵を温めているのだな、まだかなと思っていた。
先日、ついに生まれた。よしよし。
さっき、出かけるとき、巣を見にいったら…。
がが〜〜ん!
ちっちゃいヒナが一羽、巣の下の床に落っこちているではないか。
打ちどころがよかったのか、まだ元気に動いている。
拾い上げると手のひらに収まってしまう4センチほどのヒナ。
近所の店に頼んで椅子を出してもらって、元に戻してあげる。
巣には他に元気なヒナが3〜4羽いた。彼らに蹴り出されてしまったのだろう。今回は戻すことができたが、また押し出されてしまうかもしれない。
ちっちゃくてふわふわのヒナだったけれども、2メートルもある巣から落っこちたら、元気に動いていたとはいえダメージがなかったわけではないだろう。
あの小さな巣では5匹も巣立ちするまで大きくなることは無理なのかもしれないし、それは織り込み済みのヒナの数なのだろう。
巣から押し出された時点で、もう親がくわえて元に返すことは無理だし、自然にまかせるとしたらあのヒナは生存競争からは脱落したということだ。
巣から落ちたヒナはカラスや猫の餌食になってしまうことが多いらしい。
つばめが人通りのある場所の軒先に巣を作るのも、わざとそうしているらしい。人が通る場所にはカラスなどの天敵が近づけないからだそうだ。
他のヒナに落とされるようでは、あのヒナも今後の厳しい生存競争に勝てないかもしれないが、もし巣立ちできて、来年以降、成鳥になることができたら、それはぼくが絶体絶命のところを助けてあげたからなのだから、反物のひとつも持って帰ってきてほしい(もちろん部屋ものぞかない)。