ついでにゲートルもいっとくか。
これまで引いてきた日本語や英語の辞書の訳語に何度も出てきたゲートルとは。
ゲートル [(フランス) gutrês]
ズボンの裾を押さえて、足首から膝まで覆うもの。多く軍服用。一枚の厚布や皮革製で脇でとめるもの、小幅の布を巻きつけるもの(巻きゲートル)などがある。日本では後者をいうことが多い。
[ゲートル – Google Image Search]
gait·er /ˈgeɪtər/ –noun
1. a covering of cloth or leather for the ankle and instep and sometimes also the lower leg, worn over the shoe or boot. Compare upper (def. 7).
2. a cloth or leather shoe with elastic insertions at the sides.
3. an overshoe with a fabric top.
[gaiter – Google Image Search]
guêtre
guêtre gaiter
demi-guêtre spat
[guêtre – Google Image Search]
ゲートルの元はフランス語。ゲートルには英語も日本語も意味にそれほどのぶれはないようです。で、ゲートルを日本語にすると…。
きゃはん【脚▼絆/脚半】
(1)旅や作業をするとき、足を保護し、動きやすくするために臑(すね)にまとう布。ひもで結ぶ大津脚絆、こはぜでとめる江戸脚絆などがある。脛巾(はばき)。
(2)「巻き脚絆」に同じ。
[脚絆 – Google Image Search]
きゃはん 脚絆
leggings; gaiters.
というわけで、レギンスに戻りました。
これからは恥ずかしいので、スパッツとか、レギンスとか、カルソンとかいわないほうがいいのではないですか(特に外国では)。ではなんと呼べばいいのか、ちゃんとそのものを指していて、しかもかっこいい外来語がいいですよね。おあつらえ向きのがあります。
これからは「パッチ」と呼んでください。朝鮮語起源の外来語ですから。
前略、
「ご存じ〜」に続き、初版である「古今東西噺家紳士録」のほうの演目、ファイル名対応表も作ってみました。お役に立ちますか。間違いがあったらフィードバックをお願いします。
[演目、ファイル名対応表]
草々
前略、
気に入ったのは、このドイツのツヴィリング社の折畳み式爪切り。三つ折り式で日本の折り畳み方とは違っていて、とても薄くなるので旅にもいいと思った。
でもさすがに爪切りに5000円以上は出せないと躊躇していたら、この形の爪切りはドイツでは一般的らしく、全く同じ形のものがドイツの他社からも出ていて安いものもあった。さらにうろうろしていたらドイツから並行輸入して安く売っているサイトがあった。送料を払ってもまだ安い。
ここで買おうかと思ったけど、その前に店でさがしてみようと出かけた。
デパートにはツヴィリング社のものがありました。正規と全く同じ値段で。さらに小物屋の爪切りコーナーに行くとありました。パチモンがっ!
韓国製とどこ製か分からないもののふたつ。どこ製か分からないものはツヴィリング社のものの全くのコピー、韓国製のものは構造は同じだが独自の作り方のもの。韓国製は1200円ちょっとで、もうひとつのものは1000円もしなかった。
さすがに1000円もしないやつはやすりのところなんかの仕上げも粗かったので、ほかも推して知るべしだろうと、韓国製のものを買った。
結構使えますよ。5000円のものは買っていないので比べられませんが。
まだつづく
香港で一週間滞在し、船で上海へ、その後、北京へ。
北京でシベリア横断鉄道に乗る前の日、それまで泊まっていたバックパッカー御用達の僑園飯店から、一転、高級ホテルの前門飯店へ移動した。旅行代理店で列車に乗る前日のホテル一泊を無理矢理予約させられていたのだ。
旅行代理店でもらったバウチャーを渡してチェックインした。ホテルはバウチャーを渡せば泊まらせてもらえるが、列車はそういうわけにはいかないので、バウチャーを切符と引き換えてもらわなくてはならない。ホテルのフロントに訊ねてみたが、どうすればいいのか全く分からなかった。
ホテルを出て、別の高級ホテルである崇文門飯店の中にある中国国際旅行社まで行ってみたが、もう営業は終わったので次の日にまた来いといわれてしまった。問題は泊まっている前門飯店から北京駅までの車での送迎の予約がこれまたほしくもないのに付けられていて、この崇文門飯店が北京駅に近いところにあるということだった。このときぼくは、次の日は崇文門飯店の中国国際旅行社へ行き、切符を受け取ってそのまま北京駅に行き、送迎車なんかほっとけばいいと考えていた。
甘い、甘すぎた。中国人はそんな甘い考えはすべてお見通しで、ぼくに好きにさせてくれるはずもなかった。
翌日、シベリア横断鉄道で出発の日、ホテルで朝食を食べてチェックアウトし、荷物を持って崇文門飯店へ向かった。
中国国際旅行社でバウチャーを見せて列車の切符のことを訊ねると、いろいろと電話をかけた末に別のホテル、国際飯店の中国国際旅行社へ行けと、たらい回しされてしまった。北京駅はもう近いので、先に荷物を北京駅に預けてから国際飯店へ向かった。国際飯店に着いたときにはすでに昼時になっていて、中国国際旅行社は昼休みになっていた。
昼休みが終わったあとも窓口をたらい回しにされた後、日本語を話せる女性が出てきて、衝撃の事実を告げられた。
ぼくの列車の切符は、ぼくを前門飯店から北京駅へ送っていくことになっている車の運転手が持っているというのだ。
あほ〜! なんでそんなやつに切符を預けるのだ。素直にホテルのフロントに預けとけバカたれ! こっちはもう荷物を北京駅に預けて準備万端なのだ。また前門飯店へ戻れとでもいうのか。
再び交渉の末、七時にその運転手を今いる国際飯店に来させるということで決着した。でも、もしこれで運転手が来なかったらぼくはどうなるのだ。
恐れていたとおり、七時をすぎ、十分、二十分をすぎても運転手は現れず、ぼくはパニックにおちいったが、その直後、やっと運転手が現れた。すぐ近くの北京駅まで乗せてもらい、切符を受け取った。その時に運転手はぼくの名前ともう一人の日本人の名前を書いた紙を見せ、この日本人を知らないかとぼくに訊ねてきた。彼はその日本人も北京駅まで送り届けて切符を渡さなければならないのだが、見つからないらしい。
知るか〜! こんな駅までの送迎車を付けられたせいでこっちは大迷惑しているのだ。おまけにこんなことに金まで払ってるとか思うと、余計に腹がたつわい。
しかし、なんとか出発前に切符を持って無事、駅に着けて一安心だった。プラットフォームにはすでにソ連行き国際列車が停っていた。ロシア人の車掌に挨拶して乗り込んだ。コンパートメントは二段ベッドが二つの四人部屋。同室の中国人の周さんはソ連に招かれてモスクワまで行くとのこと。日本統治時代に日本語を習ったので少し日本語が話せた。
発車直前に外から日本語が聞こえてきた。通路に出てみると、ぼくを北京駅まで送ってくれた運転手がいて、日本人を連れていた。彼が見つからないといっていた日本人らしい。彼(K君)はホテルでいくら待っても送迎が現れずパニックになり、(多分、運転手が先に北京駅へ行ってしまったという連絡があって、)自分でタクシーを拾って飛ばしてもらい、(多分、駅で彼の切符を持った運転手に会って)なんとか間に合ったとのことだった。
これってひょっとするとぼくが送迎の運転手を国際飯店まで無理矢理来させたために起きたとばっちりだろうか。すまんと心の中だけであやまった(でも運転手に切符を預けるのが一番悪いんだからね)。
その他、高校の教師をしているという日本の女性Uさんも同じ車両だった。
ほぼ定刻に列車は北京駅を出発した。
つづく
[脚注]
-
船で上海へ
香港〜上海の客船はリーズナブルな値段で、のんびりした船の旅が楽しめたのだが、もうなくなったと聞いている。
-
僑園飯店
僑園飯店は現在もまだあるが、もうバックパッカーのたまり場ではなく、りっぱな高級ホテルになっているらしい。このころは大雨が降ると地下の安い部屋には雨水が流れ込んでたまってしまうようなところだった。
-
車での送迎
カナダのトロントのユース・ホステルに泊まっているときに、ちょっとした話題になった日本の女性がいた。その女性はユース・ホステルの前に大きな黒塗りのリムジンで乗りつけてチェックインしたというのだ。これもトロントまでの飛行機と町までの車の送迎がセットになっていて、迎えに来たのがでかいリムジンだったということらしい。
ケータイを持ってないのにケータイサイトを作るのは大変。
ケータイサイトエミュレーターのたぐいのプログラムはウィンドウズのみの対応なのでマックでは利用できない。
そんななかなんとかケータイサイトの見映えをマックで確認する方法。
■ gooモバイル – 携帯サイトビューワ
三大ケータイキャリアの見映えを大ざっぱに再現できる。
キャリアの切り替えがタブなので楽。
ブックマーク(とりおきURL)が独自で登録できる数が少ない。
■ FireMobileSimulator.org
ファイアーフォックスのアドオン。
ケータイの機種を細かく再現できる。
機種だけでなくいろいろほかにも設定が可能。
ファイアーフォックス全部がケータイモードになってしまうので、他のタブでPCサイトを開いている場合切り替えが面倒。
前略、
簡単にメーラー履歴を書くと(すべてマッキントッシュ版です)、
最初はクラリスメール Lite 。2000年問題の前に1999年問題があった(1999年からヘッダーの日付がおかしくなった)けど、結構気に入って問題があったあともしつこく使っていた。
その後、Outlook Express をしばらく使ったが、すべてのメールをなくすという事故が2回起こって見捨てた。またクラリスメールに戻った後、Arenaに落ち着いた。
Arenaは使い勝手がよく、シンプルでありながら、ほしいなと思う機能がきっちり付いていて金を払う価値のあるメーラーだった。
で もOS X版が出てしばらくして、開発終了してしまった。現行のOSでもちゃんと動いてくれるのだが、ノートン・アンチウィルスとぶつかって送信が時々おかしくな る問題があったり、HTMLメールをウェブブラウザーを開かないと見れないことや、添付した写真もインラインでは見れないので、ここ最近はことあるごとにメールの乗り換えを考えるようになった。
実際、乗り換えも何度か試みたのだが、その度に「やっぱりArenaがいいや」と戻っていた。最近のメーラーは重いのだ。マシンがG4 Cube(450MHz)なのでアップルのMail.appなんか重くて使えたもんじゃないのだ。使い勝手もイマイチだ。
ネットスケープ直系、モジラのThunderbirdにもプレヴュー・ヴァージョンのころ何度か乗り換えを試みていた。Mail.appよりはややよかったものの、やはり使いにくくCubeには 重すぎて断念していた。
ウェブ・ブラウザは早めにFirefoxに移行していたので、正式版が出た Thunderbirdをもう一度試してみたらかなり軽くなり、使い勝手もよくなっていたのでもう一度乗り換えを試みることにした。
メー ラーの乗り換えがブラウザーの乗り換えよりうまくいかないのは、移行項目の多さと困難さのためだ。ウェブ・ブラウザーの移行項目といったらブックマークくらいで一から作り直してもたいしたことないが、過去のメールをすべて移行するのはなかなか大変だ。ましてやArenaのような日本だけで使われている メーラーからだと簡単にはインポートさせてはくれない。
ArenaのメールボックスはEudora互換だというので、ThunderbirdのEudoraからのインポートツールが使えるかと思ったが、全くだめだった。
日本語版のThunerbirdサイトにはArenaからの移行方法 が 載っており、それによるとEudoraに読み込ませてから、Thunderbirdに移行するとなっているが、今回やってみた限り ではEudoraには問題なく移行できるが、そこからThunderbirdにいくとすべて文字化けしてだめだった(Arena 2.2.1→Eudora 6→ Thunderbird 1.0)。
結局、移行に成功したのはEudoraではなく、Mail.appをあいだにはさむ方法。
まず ARENA 2 Mail を使って、ArenaのメールボックスをMail.appのメールボックスに変換して読み込ませる。Mail.appから Thunderbirdへはサイトに載っている移行方 法で移行する(xxxx.mboxというパッケージの中の”mbox”というファイルをコピーして名前を書き換えて Thunderbirdのメールフォルダーに入れる)。
一部日付がおかしくなったメール(1919年や2025年になってしまった)があったが、これは1999年問題のあったクラリスメール Lite時代のメールやウェブメールを転送したものだったので、純粋にArenaからThunderbirdへの移行はこの方法でうまくいくのではないだ ろうか。
草々
追伸、ひょっとしたらMail.appをはさまなくても、ARENA 2 Mailで変換したものをThunderbirdに読み込ませても大丈夫かも知れないなと思い始めています。でも、もうこちらでは移行終了しているので試さないと思います。どうぞ試してみてください。
インストール後の最初の起動時、通常なら上の画像のようになり、「次へ」をタップするたびにアプリの最初の説明が出て、通常画面になります。
それがATOMでは、
こうです。
画面が小さすぎて、最初の説明画面の下の丸いやつが縮小されずにはみ出し、右下の「次へ」が表示されないため、この画面より先に行けません。
アプリ自体はちゃんと機能しているのでしょう。ウィジェットはちゃんと使えます。
なんか対処法ありますか?
前略、
今日は蒸し暑いね…
と自分で言ったから、6月26日は二日遅れ(去年比)でエアコン記念日
でもその前に、「露天風呂の日(6・26)」だそうです。
その一週間前の6月19日は「野宿の日(のじゅく→の19→619)」という訳で、世界の野宿界をリードする雑誌「野宿野郎」主催で第一回野宿大会が井の頭公園で催されました。ぼくはミャンマーの民族衣装ロンジーで参加しました。
一人の逮捕者も出すことなく無事大会を終えたことを報告します。
次回は9月19日か?
草々
ほぼ推測。正確には違うかも。
言葉のリンク先はグーグル・トランスレート。発音も聞けます。
ラインズ・グーッド!
英語は日本人をはじめ、ネイティヴじゃない人たちもよく使う。
“Line’s good”
ダバイ・ダバイ・ダバイ!
ロシアチームがよく連呼する。
文脈によっていろいろな意味になる単語らしいが、カーリングではおおむね “Go, go, go!” な感じらしい。
“Давай Давай Давай”
プオナ・リーニャ!
「ラインいいよ〜」、イタリアチームがよく使う。リーニャ・プオナ!とも。
“Buona linea”(Good line)
ブロー・リニェ!
スウェーデンチームの「ラインいいよ〜」。
“Bra linje”(Good line)
ハオチョー!
中国チームはあまり国際試合には出てこないが、北京オリンピックでは開催国枠で出ていた。
いいショットが決まった後に必ずいってた。
“好球”(Nice shot)
ラインチョワー!
韓国チームの「ラインいいよ〜」。
「ライントワー」みたいに聞こえるけど、チョワーらしい。
“라인 좋아”(good line)
トートートー!
韓国チームがストーンが止まりそうで、もっとスイープして伸ばしたい、曲げたい時に。
「トー」が「もっと」。
“더욱”(More)
6月11日(日)曇り
石巻市へ。ここは石ノ森章太郎の生地らしく、彼のミュージアムがあり、009や仮面ライダーなどのキャラクターの像がたくさんあった。「バー009」というのがあり009に「おーおく」とルビがふってあった。
海から離れ、北上川を上る。この先の三陸海岸はリアス式海岸で道の上り下りがとても激しいと聞いていたので内陸を迂回することにしたのだ。うまい具合に内陸の北上川に沿って平地が続いている。
しかし、北上川はいくらさかのぼっても今までキャンプしてきた川のようにいい川原がなかった。全く川原がないか、広い川原があっても田んぼや畑になっているところが多かった。
夕方が近づいてきたころ、川原の背の高い草っ原の中に刈ったばかりの部分をなんとかみつけて入り込んでテントを張った。当然、トイレも水道もなかった。
持ってきていた米がなくなりかけていた。スーパーなどでは一番少ないパッケージは2キロで、自転車の旅人にとって2キロは重すぎるのでどうしようかとずっと悩んでいた。100円ショップで小さいパッケージを売っているというのを聞いていたのでみつけたら寄っていたのだが、どこも売っていなかった。
途中の田舎のなんでも売ってる個人商店でわけを話して米の量り売りをしていないか訊いたら、してはいないのだけどいいですよと、自分のうちで使っている米から量り売りしてくれた。500グラムだけ計って売ってもらった。
(72.71km/4h32m・計817.7km)
前略、
天気がよくなかったりで時間が経ってしまったが、インラインスケート多摩川下りの後半をやった。
前回は夕方までかかってしまったので、今回はちょっと早起きして前回の終了地点からスタート。河口までは約28キロ。
土手から河原に下り、多摩川原橋をくぐりしばらく行くと競輪場の京王閣(Google Map)があり、京王相模原線をくぐる。その後、再び土手に上がる。
調布市も府中市と同じくらい川沿いのサイクリングロードは整備されていて、約4キロと短いが状態のよい舗装がつながっていて全くストレスなく滑れる。
調布市を出て狛江市に入る。
つづく
多摩川原橋
京王相模原線
河原から再び土手に上がる
調布市を出て狛江市に入ると…
前略、
近藤勇はなんで局長なんだろう。何局の局長だ。アジア・オセアニア局か。
上っ面だけ調べてみたところ新選組には一番隊、二番隊などというものがあってこれの頭が組長というではないか。いったいどうなっているんだ。なにか深い深い理由があるのか、それとも「まったく近頃の若いもんときたら言葉が乱れて」いたということなのか。
[教えて!goo] 新撰組の「局長」という役職名について
草々
6月3日(土)曇りのち晴れ
起きたら霧雨が降っていてぎょっとしたが、すぐに止んできたので出発。
九十九里浜を出て犬吠埼へ。九十九里浜はずっと真っ平らだったが、岬に近づくと山になっていて上り下りが多くなる。
銚子で銭湯に入り、利根川にかかるせまくて長くて歩道のない人殺し橋、銚子大橋を渡り、茨城県へ。
利根川を少しさかのぼるといい感じの川沿いの広場があったので、トイレも水道もなかったが、そこにテントを張った。
(58.19km/4h12m・計372.3km)
前略、
ドイツのBusch & Müller社のバックミラーCycle Star 901/2。ハンドルバーの端に付けるタイプ。
こんなものをわざわざドイツから輸入しなくちゃならないのかと思うのだが、ほかにはなかなか気にいるものがなかった。折り畳み自転車なので折り畳み時に干渉するものは当然だめだし、干渉しなくてもなるべくごてごてしていないシンプルな形のものがよかった。
これは形も機能もよかったのだが、もともとドロップハンドル用に作られたものでスピードP8のようなフラットなT字のハンドルに付けると鏡が運転者側を向かないので真後ろより外側しか見ることができない。鏡を運転者側に向けて真後ろを見るためには本体を少し削る必要がある。
草々
前略、
ビリー・レッツが好きです。
ビリー・レッツはアメリカの小説家でいままでに2冊の長編小説を出していて、両方とも翻訳が出ています。
「ビート・オブ・ハート」Where the Heart Is ★★★★★
妊娠したティーンの女の子が恋人と新天地を求めて西海岸へのドライブ中、ささいなことから田舎町のマーケットに置き去りにされてしまう。全くお金のないその娘は毎晩マーケットに忍び込んで夜を明かしていたが、ある夜産気づいてそこで出産してしまう。
幸せではなかった女の子はその田舎町で人々の優しさに触れ、新たな人生を歩みはじめる。
この小説はナタリー・ポートマン主演で映画化され「あなたのために」という邦題で公開されましたが、ぼくはまだ見ていません。イメージをこわされるような気がするので。
「ハートブレイク・カフェ」The Honk and Holler Opening Soon ★★★★★
田舎町の小さなドライヴイン・カフェを営む30台の男。家族同然の中年女性のウェイトレスはいるが、コックは何度雇っても長くいついたためしがない。
ある日、けがをした犬を抱いたネイティヴ・アメリカンの若い女がヒッチハイクで店にやって来る。女はバイトでカー・ホップ(ドライヴインの車相手のウェイトレス)をやらせてくれとたのんでくる。中年女性は「この女はトラブルを招く」と感じる。
こちらも映画化されるようで、レッツ自身が脚本を担当したとも聞いているので、多少期待が持てますが、主演がまたナタリー・ポートマンという噂も聞いていて原作のインディアンという設定を替えてしまっているのかが気になるところです。
最初に読んだのが「ハートブレイク・カフェ」のほうで、読み出したらやめられなかった上に、読み終わった直後からまた最初から読みはじめたほどです。
レッツの作品はダサいいいかたでいうと「癒し系」、傷ついて不幸な人たちがまわりの人々(彼らも決して幸福というわけではない)のやさしさに触れ、前向きに進んでいこうとするというような話です。ウィーピー(お涙頂戴もの)だともいわれますが、ぼくはあまり行き過ぎていなければウィーピーなのも嫌いではありません。
新作の「Shoot the Moon」がアメリカで発売されています。ほしいのですが、ハードカヴァーなのでちょっと高くて躊躇しています。
草々
前略、
「エターナル・サンシャイン」
Eternal Sunshine of the Spotless Mind
脚本:チャーリー・カウフマン
監督:ミシェル・ゴンドリー
いいね。もともとこういう構成の凝った映画は好きだ。
チャーリー・カウフマンの脚本は、観客が設定を聞いて予想するストーリーを微妙にはずし、そしてその先を行く。それでいてハリウッド式ではないかもしれないが、ストレートなラブストーリーに仕上がっている。
でも、やはりこのキャスティングは失敗だったのではないだろうか。いまやハリウッド映画はスターが出ていなければろくな予算が取れないし、ヒットしないと思われているから、大物は必要だったのだろう。比較的地味なこの作品にたくさんのスターが出ている。主役には説明の必要もないジム・キャリーにケイト・ウィンズレット、脇にカースティン・ダンスト(「スパイダーマン」)やイライジャ・ウッド(「指輪物語」)など。
脚本家や監督のインタビューを読むと、主役二人の設定は「退屈で地味でだめなおっさん」と「彼をひっぱりまわすテンションの高い若いパンク娘」だった。
ジム・キャリーはいつものハイパーテンション芸を捨ててちゃんと役になりきっているが、それでもスマートで男前すぎてだめなおっさんには見えない。
ケイト・ウィンズレットもオスカー・ノミネートもされた、こちらはハイパーテンションの切れたパンク娘を演じているが、「タイタニック」のときからいわれていた貫録ありすぎな外見で、当時29才あたりだったらしいが、おっさんと付き合ってひっかきまわす若い娘には見えなかった。ジムが若く見えすぎ、ケイトが年取って見えすぎるため、本来はアンバランスなカップルじゃないといけないはずの二人は全然お似合いなのである。
ケイトがおばさんすぎるのは、後で付き合うことになるホビット族(イライジャ・ウッド)との関係にも問題が出てくる。イライジャが子供っぽく見えるので、ケイトおばさんとのカップルが不自然なのだ。
ケイトの役はいっそのことクリニックの受付嬢役のカースティン・ダンストでもよかったくらいではないだろうか(彼女にオスカー・ノミネート級の演技ができるかは別にして)。
主役二人のかんじはちょうど「ゴースト・ワールド」のスティーヴ・ブシェミとソーラ・バーチがぴったりなのではないだろうか(あるいはスカーレット・ヨハンソンでもいけそう)。
「メメント」と二本立てで見ることをお勧めする。
草々